名古屋市美術館 Nogoya City Art Museum

美術館について

美術館の建物について

この美術館は、市の中心にある緑豊かな白川公園の中に建っています。欅などの樹林に囲まれた敷地は、南北に長い三角形状をしており、公園全体の容積、建ぺい率などに厳しい制約のあるなか、名古屋出身の建築家・黒川紀章により、世界に誇ることのできる本格的な美術館として設計されました。

建物外観

建築は、1層を地下に埋込み、高さを2階建に抑え、敷地形状に合わせた南北の主要な軸と北西に開いた副軸とによって基本的構成がされています。

建物外観(南側)

地階には常設展示室、収蔵庫があり、地下の圧迫感を柔らげている3層吹抜けのロビーや、ゆるやかな拡がりを持つサンクンガーデンもあります。1、2階には、国際的規模の企画展が可能な企画展示室があり、上部トップライトには、完全遮光パネルと半遮光の乳白パネル(紫外線カット)が装備され、自然光による多様な演出が可能となっています。

アプローチグリッド(鳥居の引用)

そして、随所に日本の伝統的手法と色彩が盛り込まれており、西欧と日本の文化、あるいは歴史と未来の共生がこの建築の主要なテーマとなっています。内部のドア枠、窓には、西欧の建築様式や江戸の天文図等が引用され、梅鉢の紋や茶室の模擬などが取り入れられ、同様に屋外にも木曽川の風景、名古屋城の石垣など、物語性をつくりだすための記号が配置されています。これらの様々な仕掛けを、床、壁、天井そして建物まわりから読み取ることができ、新しい発見があるのも、この美術館の特色の一つです。