名古屋市美術館 Nogoya City Art Museum

EXHIBITION 展覧会

過去の展覧会

2013年度

特別展

名古屋市美術館開館25周年記念 上村松園展
Shoen Uemura: A Retrospective

2013年4月20日(土曜日)~6月2日(日曜日)

上村松園(1875-1949)は、74年の生涯をひたすら絵の道に捧げ、日本の美人画の歴史に残る数々の傑作を世に送り出してきました。女性が日本画家として独り立ちすることが大変難しかった時代に、松園は数々の試練や偏見に晒されながらも、並々ならぬ努力で画才を伸ばし、実力で世間の評価を勝ち取っていきました。そして戦後には女性初の文化勲章を受章し、京都のみならず日本の画壇を代表する画家の一人として輝かしい成功を収めています。今でも人々を魅了してやまない、その清らかで気品に満ちた美人画の数々を、松園の生き方を顧みつつ紹介します。

《花嫁》 1935年
奈良ホテル蔵

はじめての美術 絵本原画の世界2013
First Art-The World of Original Illustrations for Children’s Book, 2013

2013年6月15日(土曜日)~7月21日(日曜日)

1956年創刊の福音館書店発行の月刊絵本「こどものとも」の初期作品を核とする宮城県美術館の絵本原画コレクションから選りすぐった26作家43タイトル320点あまりの作品を紹介します。創刊号の「ビップとちょうちょう」(堀文子)をはじめ、「おおきなかぶ」(佐藤忠良)、「しょうぼうじどうしゃじぷた」(山本忠敬)、「ぐりとぐら」(山脇百合子)、「おしゃべりなたまごやき」(長新太)、「はじめてのおつかい」(林明子)など、世代を超えて読みつがれている名作絵本の原画に触れ、絵本と出会う喜びを思い出すとともに、本物の美術作品が持つ力とそれがもたらす喜びを感じてください。

©堀文子 1956年、「ビップとちょうちょう」

あいちトリエンナーレ2013
揺れる大地-われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活
Aichi Triennale 2013: Awakening – Where Are We Standing? – Earth, Memory and Resurrection

2013年8月10日(土曜日)~10月27日(日曜日)

アートが街に飛び出し、都市の祝祭で賑わった前回から3年。今回は、東日本大震災後のアートを意識しつつ、世界各地で起きている社会の変動と共振しながら、国内外の先端的な現代美術などを紹介します。
名古屋市美術館会場では、建築家・青木淳によって新たに改修・創出された展示空間のなかで、世界各国の現代美術家たち(アルフレッド・ジャー、ワリット・ラード、イ・ブル、杉戸洋)が新作を発表します。また、白川公園には、建築家・藤森照信の設計による茶室《空飛ぶ泥舟》が展示されます。

藤森照信《空飛ぶ泥舟》2010
「藤森照信展―諏訪の記憶とフジモリ建築」展
(茅野市美術館)での展示風景
photo: 茅野市美術館

ハイレッド・センター: 「直接行動」の軌跡展
Hi-Red Center: The Track of “Direct Action”

2013年11月9日(土曜日)~12月23日(月曜日・祝日)

「ハイレッド・センター」は、三人の若き前衛芸術家たち(高松次郎=Hi、赤瀬川原平=Red、中西夏之=Center)によって、1963年5月に結成されました。 高度経済成長の道を邁進する1960年代の日本において、彼らは既成の芸術の枠組みを遥かに超えた新しい「芸術」、すなわち「直接行動」によって、平穏な日常のなかに「芸術」を持ち込むことで、退屈な日常を「撹拌」しようと試みました。
今回の展覧会は、ハイレッド・センターの結成50周年を記念して、その活動を記録した文献資料や記録写真を中心に、彼らの同時期の作品を加えて、ハイレッド・センターの「直接行動」の軌跡を総合的に紹介します。

ハイレッド・センター
「BE CLEAN! 首都圏清掃整理促進運動」
銀座並木通り,1964年
撮影:平田実 ©Hirata Minoru

親子で楽しむアートの世界展
Enjoy the Art World −with your loved one

2014年2月15日(土曜日)~3月30日(日曜日)

「親子や家族で楽しむアート」をキーワードに、美術に親しみやすく作品の持つ魅力を幅広く伝えることを目的に、名古屋市美術館のコレクションを中心に作品を紹介するものです。普段は常設展で紹介している作品ですが、展示方法に加え、ワークシートや解説パネル等にも工夫をこらし、ゲームを楽しむような感覚を盛り込むことによって、作品を鑑賞するだけではない、一味違う美術館の体験となることでしょう。ぜひ、大切な人と一緒に楽しんでください。

フリーダ・カーロ 《死の仮面を被った少女》1938年

常設企画展

ポジション2013 水野誠司・初美展
Photography of Hatsumi and Seiji Mizuno

2013年6月15日(土曜日)~7月21日(日曜日)

この地方で活躍する作家を紹介する企画として、水野誠司・初美夫妻の写真作品を紹介します。北欧・フィンランドに学んだ夫妻は共同で写真を制作しています。パラジウムプリントやサイアノタイプといった古くからある手法を用いた彼らの作品は、ノスタルジックな雰囲気を持ち、見る人を安らいだ気持ちにさせてくれます。美しい小品の数々をお楽しみください。

《chair》 2012年 個人蔵

特集Ⅰ 村上友晴《十字架への道》
MURAKAMI Tomoharu: The Stations of the Cross

2013年8月10日(土曜日)~10月27日(日曜日)

日本の現代美術の孤高の存在である画家・村上友晴(1938- )は、修道士のような生活のなかで、生涯を掛けた「神への祈り」を捧げる行為として、寡黙な絵画を制作してきました。
《十字架の道》は、ゴルゴダの丘で磔刑に処せられたキリストの道行きを14の場面で描いた作品です。
静けさのなかに秘められたキリストの「受難」を感じるとともに、新しい世紀の「揺れる大地」を迷いながらも歩み続ける私たち自身の姿に思いを馳せてください。

村上友晴 《十字架》 1998年

特集Ⅱ 没後100年記念 ホセ・ガダルーペ・ポサダ展
Jose Guadarupe POSADA: The Centenial Anniversary of his Death

2013年11月2日(土曜日)~12月23日(月曜日・祝日)

哄笑する骸骨たちが滑稽に飛び跳ねる骸骨(カラベラ)シリーズをはじめとして、メキシコの民衆版画家ホセ・ガダルーペ・ポサダ(1852-1913)の諷刺画は民衆に愛されただけでなく、革命を影で煽動したと言われるほど民衆の心を揺さぶりました。
没後100年を記念して、名古屋市美術館のポサダ・コレクション(総計262点)から厳選した作品を紹介します。

《山形帽子をかぶった骸骨》 1919年

特集Ⅲ 独立と革命:メキシコ現代版画展
Independence and Revolution: Mexican Contemporary Prints

2014年1月4日(土曜日)~3月30日(日曜日)

メキシコの独立200年と革命100年を記念して制作された版画集「独立と革命」54点が、平成23年度にメキシコ政府より名古屋市美術館に寄贈されました。現存するメキシコの代表的作家によって制作されたこの版画集の中から、約40点の作品を紹介します。大判の版画が持つ迫力と個性的な表現の数々をお楽しみください。

デミアン・フロレス 《祖国》 2010年